伝えることを増やすほど、ブランドは伝わらなくなる

企業のWEBサイトや会社案内やSNSなどを見ていると、
たくさんの情報が並んでいます。
これは当社も然りです。
事業内容、商品やサービス、会社の歴史、
実績、理念、代表の想いなどなど・・・
いずれもその会社にとって大切なものです。
会社が続いて、事業も続いて行けば、
伝えたいことが増えていくのは当然のことだと思います。
それをどう伝えるか?はなかなか難しいです。
ブランディングという視点で考えると、 少し違った問題が出てきます。
例えば、会社全体などの1つのことを伝える際に、
伝えることを増やせば増やすほど、本質がぼけて
よく分からなくなりがちです。
このようなことが、実際にはよく起こります。
【全部伝えたい!!】 でも分かりにくい。というのが現実です。
自分たちの会社のことだからこそ、
「これも知ってほしい」
「この実績も伝えたい」
「この事業も大切」
「この想いも外せない」 となります。
すべて一つの場所で伝えようとすると、 受け取る側には情報が多すぎてしまいます。
結果として、
「結局、この会社は何の会社なんだろう?」
となってしまいます。
これは、初めてお会いする人に対しても、
名刺を指しだした際に、当社は○〇と◇◇と★★と
■■の事業をやっています!と話の際に、
へぇ~ で終わるか、どれがメインなんですか?と
聞かれる場合もありますよね。
私もよくこれは経験します。
伝えている側は詳しく説明しているつもりなのに、 受け取る側からすると、かえって輪郭が見えなくなり、
ぼんやりします。
これは、企業のWEBサイトを考えるときにもよく感じることです。
情報を減らせばいい、という話でもない
では、情報を削ればいいのでしょうか?
私は、それだけでもないと思っています。
長く事業を続けてきた会社には、それだけの歴史があります。
複数の事業を持つ会社には、 それぞれの事業に顧客がいて、価値があります。
新しい商品やサービスが生まれれば、 それを伝える必要もあります。
大切なものを無理に一つにまとめたり、 削ったりする必要はありません。
問題なのは情報の「量」ではなく、
異なる情報を、同じ相手に、同じ場所で、
同じように伝えようとすること が原因と思います。
誰に伝えるのかが変われば、
伝えるべきことも変わる
例えば、一つの会社に複数の事業があったとします。
当社で言えば4つの事業があります。
ある事業のお客様が知りたいことと、 別の事業のお客様が知りたいことは同じとは限りません。
商品を購入する人と、採用に応募する人でも、 知りたい情報は違います。
取引先、消費者、求職者。
相手が違えば、伝えるべき価値も、言葉も、 見せ方も変わります。
それなのに、「会社として一つだから」
という理由だけで、すべてを一つにまとめてしまう ことがあると思います。
ここに、ブランドが分かりにくくなる原因の 一つがあるように思います。
そこで必要になるのが、
ブランドを細分化して考えること です。
企業そのもののブランド。
事業のブランド。
商品やサービスのブランド。
採用のブランド。
それぞれについて、
「誰に伝えるのか?」、「何を伝えるのか?」
「どう認識してもらいたいのか?」を整理すると
どうでしょうか?
このような考え方をすることで、
会社全体として持っている情報を無理に
減らさなくても、一つひとつを個別ブランドとして
考えればいいかもしれませんね。
そして、それぞれがバラバラになるのではなく、 その上に企業としての考え方や価値観がある。
私は、この関係をきちんと設計することも、
ブランディングの大切な仕事だと考えています。
創業したばかりの頃は、一つの事業、
一つの商品、一つの顧客層だった会社も、
時間とともに変わってきますよね。
時代の背景の変化もあるので、ずーっと一貫して
同じ不変なことだけを続けるのはとても難しい
かもしれません。
時代の変化とともに、
新しい事業が生まれ、商品が増え、
取引先が変わり、採用する人材も変わる。
これは自然なことと思います。
会社が変化しているのに、ブランドの構造だけが 昔のままということもあります。
だからこそ、ある段階で一度、
「今の会社は、何を、誰に、どのブランドで伝えるのか?」
を整理してみるのは大事な事と考えます。
これは、新しくブランドをつくることだけではなく、 今ある会社や事業を整理し直すことでもあります。
これらはつまり、ブランディングやリブランディングということです。
伝えたいことが増えること自体は、
悪いことではなく、自然な事と思います。
それだけ会社が積み重ねてきたものがあるということです。
なので、全部を削る必要はなく、
全部を一つに詰め込む必要もなく、
伝えたいことが増えたら、
削るではなく、細分化して考える。
誰に伝えるのか?何を伝えるのか?
そして、どのブランドとして伝えるのか? 細分化して、一つひとつの役割を明確にする
ことで、それぞれのブランドはシンプルになり、 結果として企業全体の姿も見えやすく
なるのでは?と考えます。
ブランドを細分化し、それぞれをきちんと設計する
ということは、これもまた、ブランディングや リブランディング上の一つの考え方だと考えます。
会社全体の話だけではなく、
自社の商品やサービスにも全く同じことが
いえそうです。
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この文章は、「札幌とブランディングの考察」という
カテゴリの一つです。
札幌という都市を題材に、ブランディングやブランド設計について、
仮説を立て、考え、迷いながら思考を整理しています。
結論を出すためではなく、考え続けるための記録として、
不定期に書き留めていきます。
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